冬の始まりに思う。
朝の空を見て朝の空気を吸う。
風が少しだけ吹いていてそれはとても冷たい。
私の指をかじかませ鼻をツンとさせているものの正体は今見えてるもののほんの一部。
見えないものにそんなふうに感じさせる冬の匂いが素直に心に染みる。
太陽と月が1つの視界の中にいてなんだかおかしい。
スマホの写真には1枚に収まってくれなくて少しさみしい。
隣でカフェオレを作っている彼は、この景色を見て何を思うのだろう。
あたたかくてあまいインスタントのそれが、冬の朝と何かを競っているみたい。
初めてカップ麺を朝食べた。
久しぶりの吐き気のない食事に驚いてしまう。
私の普通は私が決めると決意したのに
変わってしまう前の、当たり前だと思っていた日常が戻ってきたような気がして
あの決意はまだ見栄でしかなかったのか
ただの慰めだったのか
いいじゃないか、どっちだって。
今は、カップ麺の後の残りのカフェオレの甘さにあまえていよう。