ヘルプマークを取得できなかった。
ふと、電車に乗る時や大きな音がなった時など、外で発作が起きた時のことを考え、ヘルプマークを取得しようと思った。
保健所に行く前にスマホで一応調べてみることにした。すると、ある事実にショックを受けた。
都道府県によってヘルプマークの配布を行っていないところがあることが分かった。一応、ヘルプマークの一歩軽めのヘルプカードというものがもらえるらしいので、ぽてぽてと歩きながら近所の保健所へ向かった。
初めて行った場所で勝手も分からないので、とりあえず受付の方に聞いてみる。
「ヘルプカードがほしい」という旨を伝えると、「4番窓口へお願いします。」とのこと。
2階の4番窓口へ到着。
(…あれ?なんかここ違くない?母子手帳交付とか書いてあるけど、ここで良いのかな?)
「あの、ヘルプカードが欲しいんですけど…ここで合ってます?」
「妊婦さんですか?」←めっちゃ笑顔
「えっ。いや、精神的なやつで…」
「ああ、そちらでしたらお隣の課になります。〇〇さん、こちらの方よろしくお願い致します!」
(やっぱ違うじゃん。精神サポート科じゃん…。)
別の女性にバトンタッチされ、その方もとても優しく案内してくれたけれど、「ヘルプカード」については慣れていなかった。
あれ、どこに在庫置いてたっけ?みたいな。
一応、カードとそれを入れるケース、カバンにつけるチェーンの1セットいただいてお礼を言って1階へ降り、ソファに座ってふと考える。
①どうして受付の人はヘルプカードと聞いて真っ先に精神サポート課じゃなく妊婦さん向けの方を案内したの?
②どうしてヘルプマークがこんなに浸透していないの?
③どうして保健所の人はヘルプカードに慣れていなかったの?
どれもだいたい想像はつく。
カードを欲しがるのは妊婦さんの方が多いってこと。
ヘルプマークの制度がまだ安定していないこと。
わざわざ自発的にカードをもらいに保健所に訪れる人が少ないこと。
それでも悲しかった。
どうしてと考えずにはいられなかった。
ゆっくりとカードの裏に発作の時の対応などを記入していきながら思った。
これを付けて外を歩くのも勇気がいるんだろう。
けど、それ以前に、目に見えないけど助けが必要な人はまだまだ生きづらい中にいるんだ、と。